【借主負担!?】カビ汚れによる住宅の汚損 責任は誰に!?|カビ汚れを防ぐには?
こんにちは!KIREI produce広報部です。
3月も10日を迎え、徐々に冷たい北風もゆるみ、花粉の本格的な飛散も始まりました。
2022年もいよいよ、春に向けて一気に季節が進み始めた感じがしますね。
去る3月6日は、一年を24等分した節気である「二十四節気」の「啓蟄(けいちつ)」に当たります。
啓とは啓(ひらく)の意であり、蟄は「冬ごもりの虫たち」という意味を持ちます。つまり、啓蟄とは、冬の間、土や木の隙間に隠れて寒さをやり過ごしていた虫たちが、春を感じて外に這い出してくる季節、という意味なのです。
天気予報によれば、今週末からは関東でも気温が一気に20℃に近づく日もあるとのこと。温かい日が増えるのは嬉しいことですが、この時期は昼夜間の気温差も大きくなりますので、しっかりと体調管理に気をつけて、季節の変わり目のこの時期を無事に乗り越えたいものですね。
そんな春の始まりである3月は、新生活がスタートするシーズンでもあります。
この4月から進学、就職、および転職、転勤などで、お家を引っ越すという方も多いのではないでしょうか?
長らく住んだお家を出て、新たな場所で生活を始めるというのは、期待と不安が大きく入り混じる一大イベントですよね。
また引っ越しの作業自体も、賃貸物件であれば退去の申し出に始まり、荷造りから引越し業者の手配や転出転入その他の事務手続きetc..と、膨大な労力を割かれる大変な仕事がたくさん待っています。
慣れない環境での新しい生活と、諸々の事務作業による疲れからも、体調を崩しやすいこの時期は、特に用心しながら過ごしたいものですね。
■引越し時の立ち会い審査
特に、退去後に不動産管理会社と行う「立ち会い審査」は、入居の際に預けた敷金がどの程度返ってくるのかが決まる、とても大切な審査です。
この立ち会い審査は、お部屋についたキズなどを、「借主の故意・過失によるもの」か「日常生活の範囲でできるもの」かを判断する審査であり、この審査で「借主の故意・過失によるもの」と判断されたキズ・劣化については、入居の際に借主が支払った敷金が原状回復費として充当されます。
では、どういったキズ・劣化が「借主の故意・過失によるもの」という認識になるのでしょうか?
その答えは、原状回復についての豆知識をまとめた記事を過去に紹介しておりますので、そちらをご参照くださいませ。
■関連記事:【原状回復】誰がどう負担する?節約できる?原状回復費アレコレ(https://hekotaku.jp/2022/02/28/blog/)
この記事内でもご紹介いたしましたが、「家具の設置などでできてしまったヘコみ」や「冷蔵庫の裏の黒ずみ」などは、借主の過失となることはありません。
このことからも、「日常生活の範囲内でやむをえずできてしまったキズ・汚れ」については、「借主に落ち度はない」という解釈がなされることがわかります。
■カビ汚れは原状回復の対象に!?
上の項でもご紹介した記事「【原状回復】誰がどう負担する?節約できる?原状回復費アレコレ」には、「借主の過失として原状回復費を請求されるキズ・劣化」と、日常生活の範囲内で仕方なくついてしまった「原状回復対象外となるキズ・劣化」について詳しく説明しています。
その中にひっそりと、次のような内容が記されているのにお気づきになった方はいらっしゃいますでしょうか?
「例えば、
・契約書に「禁煙」と定められているのに部屋で喫煙していた
・壁紙にできた結露を放置した結果、カビが生えてしまった
・ポスターを貼るために画鋲を刺した
こういったケースでは、原状回復の義務は借主側に発生します。」
この「壁紙にできた結露を放置した結果、カビが生えてしまった」という項目から見てとれるように、原状回復について「カビ汚れ」の責任は借主側にあるという解釈をされることが一般的のようです。
カビ汚れの責任が借主側にあるというのは、実は結構厄介だったりします。
なぜならカビは、カビ菌という菌類が成長することで発生するものだからで、放置すれば加速度的に大きくなってしまうからです。
また、カビは「湿度が高く空気の対流しない日陰」を好む性質があります。
お部屋の中でこの条件に当てはまる場所を考えてみると、「押し入れの中」、「日当たりの悪い窓の周囲」、「お風呂場の排水口の中」、「トイレの便器の裏側」などの人目につきづらい場所ばかり。普段から意識してお掃除を心がけていないと、こういった場所は基本的に見落としてしまうため、「あっ」と気づいた時にはカビで真っ黒になっているということも珍しくありません。
さらに、クロカビなどの強力な生命力を誇るカビは、ただ成長して下地を汚すだけでなく、下地に紫や黒などのシミを残してしまうこともあります。
クロスや窓枠、お風呂の壁などに残ってしまったカビのシミは、もちろん原状回復の対象となってしまいます。
こういったカビのシミは、軽微なものであれば塩素洗剤などで漂白することも可能ですが、ひどいものになると効果は期待できません。
こういった事態を避けるためにも、カビが成長しにくくなるようなケアを日常的に実施し、カビの生育しにくい環境を作ることが大切です。
■カビの種類・生態を知って正しく撃退しよう!
お家の中を棲家とするカビにも、いくつかの種類があり、カビの種類によって生息する環境などに微妙な違いがあります。
また、弱いカビが強いカビのエサになるなど、カビがカビを呼んでしまうことも珍しくありません。
お家の中に発生するカビには、代表的なもので次の3種類が存在します。
①クロカビ
クラドスポリウムというカビの俗称であり、発生すると黒っぽい見た目になるためクロカビと呼ばれています。
クラドスポリウム属のカビは非常に強い生命力を持っており、空気中を漂っているカビ菌の2〜5割はこの種類だといわれています。
この種類のカビは湿気があればどこにでも発生できる性質を持っており、一般家庭ではお風呂などの水回りに発生する他、穀類や果実、加工食品などの食品の表面にも現れます。中にはアルミニウム合金すらエサとする種類もいるようで、ジェット燃料の中で増殖したクラウドスポリウム属がジェットエンジンを腐食させてしまった、という事例もようです。
まさにカビの世界の覇権を握っているカビといえるでしょう。
クラウドスポリウム属のカビは、栄養価の少ない環境でも湿度があれば発生するという特徴があり、不潔な環境でなくても大きくなってしまうという厄介なカビです。
エアコンの吹き出し口やお風呂場のゴムパッキンなどに発生するカビのほとんどはクラウドスポリウムであり、カビのコロニー(群落)が大きくなると、これらの下地に紫や黒色のシミを残してしまうという困った特徴があります。
②アオカビ
ペニシリウムという種類のカビの総称です。
菌糸が青みを帯びており、コロニー(群落)を形成すると、淡い青色となることからアオカビと呼ばれています。
人間の生活に深く結びついたカビであり、ブルーチーズの原料とされるなど様々な食品の加工に利用されています。
また、世界で最初に誕生した抗生物質である「ペニシリン」は、このアオカビが発する殺菌成分を活用して生成されたという経緯があります。
もち、柑橘類、リンゴ、魚肉練り製品、清涼飲料水、サラミソーセージ、乳製品、穀物などの製品を食害する性質を持っており、土壌中にも多く存在します。
ホコリや皮脂などのハウスダストも好み、どちらかというと古い木造家屋などに多く見られます。年季の入った木造家屋特有の「鼻をツンと刺激するニオイ」は、このペニシリウムが発しているといわれています。
③アスペルギルス属
日本ではペニシリウムと並び、食品を腐らせてしまうカビの代表格的存在です。「コウジカビ」という俗称で呼ばれているカビのほとんどが、このアスペルギルス属のカビです。
お酒などの醸造に利用される「アスペルギルス・オリゼー」や、クエン酸などの有機酸を生成する「アスペルギルス・ニガー」など、アスペルギルス属のカビの中には、人の生活に利用されている種類も多く存在します。
しかし反対に、発がん性のあるカビ毒を産生する種類(アスペルギルス・フラバスなど)もあるなど、人間にとって益のあるカビばかりでないのもアスペルギルス属の特徴です。
アスペルギルス属のカビはホコリの中に多く存在するそうで、アスペルギルスを含んだホコリを長く吸入し続けると、肺などの呼吸器に障害をきたす場合があります。アスペルギルスが原因の肺疾患は「アスペルギルス症」と呼ばれ、症状が進行した慢性アスペルギルス症は、5年以内の生存率が50〜60%しかないのだとか。人の生活に身近なコウジカビですが、とても恐ろしい病気の原因にもなりうるカビだったりします。
■カビの発生を防ぐ!日頃の“ちょっとした心がけ”3選
カビ汚れはカビ菌が増殖してできるものです。
カビ菌の胞子は、人間の目に見えないほど小さく、非常に軽いため、空気中に常に漂っています。
従って、空気中のカビ菌を撃退するのは不可能に近いといわざるを得ません。
そのためカビを撃退するには、カビ胞子そのものを環境中から取り除くのではなく、空気中のカビの胞子が成長しにくい環境を整えてあげることが大切になります。
①換気でお部屋の空気を対流させよう
カビの胞子は空気中に無数に漂っています。このカビ胞子が食品や建具などに付着すると、カビ胞子は分裂を開始し、菌糸を伸ばして成長をはじめます。
これがカビ発生の始まりです。
カビの発生を防ぐには、カビの胞子が壁や床や食品などにたどり着くことがないよう、空気の対流をしっかり作ってあげることが大切です。
一日一度はお部屋の窓を開放し、外と中の空気を入れ替えるよう心がけましょう。
空気を入れ替えることで、カビだけでなく、新型コロナウイルスなどの病原性ウイルスへの感染リスクも低減させることが可能です。
②水まわり使用後はしっかり水気をとろう
カビを発生させる一番の原因はズバリ、「湿気」です。
従って、環境中の余分な水分・湿気を取り除くことで、カビの発生を大幅に抑制することが可能です。
特にお風呂やキッチン、トイレなどの水まわりは、常に水分が存在する場所ですので、使用後はこれらの箇所の水気を可能な限り取り除いてあげることが肝要です。
具体的には、「お風呂に入った後、使用済みのタオルなどで壁や床を拭く」、「キッチンのシンクに溜まった水気を雑巾で取り除く」、「トイレの便器は陶器製で結露しやすいので、お掃除の際に拭いて水気を取る」といったケアを日常的にしてあげるといいでしょう。
最近では「24時間換気」機能の付いた換気扇も多くなりましたので、日頃から換気扇を回して水まわりの湿気を戸外に逃してあげるのも効果的です。
③結露しやすい“窓周り”は保護シートを貼って
窓は、室内と室外の空気を隔てています。
室内と室外とでは、季節によっては温度の差が顕著になりがちです。特に冬場は室内の方が外よりも暖かいので、窓の内側には室内の湿気が結露しやすく、加えて部屋の中が暖かいため、窓枠周辺は寒い季節でもカビが発生するリスクが高くなっています。
また、窓枠は日常的にお掃除する場所ではないため、カビが生えても気づかないことも珍しくありません。
こうした窓周りの結露を防ぐには、結露しにくくなる保護シートなどを貼るのがおすすめです。商品などを梱包する発泡材、通称「プチプチ」は、室外の空気とお部屋の中の空気の温度差を緩和してくれる「断熱材」の効果も期待できます。
■カビが原因の汚損には…!!
カビは、放置してしまうと下地にシミを作ってしまうことがあります。
このシミは非常に頑固で、下地を着色してしまっているので、塩素洗剤などの漂白剤では漂白できない場合がほとんどです。
しかし、国土交通省が1999年に公開した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」においては、カビ汚れなどを放置した結果できてしまった汚れについては「借主の故意・過失」と見なされ、原状回復費用は原則、借主が負担することになります。
カビ汚れによってできたシミを原状回復するには、壁紙であればクロスの張り替えで、浴室壁は化粧合板の交換工事をすることで対処する場合がほとんどです。これらの交換工事は非常に大掛かりであり、材料代や人件費も含めると、二桁万円以上の金額がかかることも珍しくありません。
原状回復費用が入居の際に預けた敷金の額を上回る場合は、追加で費用を徴収されることもありますので、カビが原因である住居の汚損は、入居中特に気をつけたいところです。
では、これらのカビによるシミ汚れなどは、全部が全部交換が必要な汚れなのでしょうか?
実は、壁紙や床材、建具などの汚損は、交換ではなく補修工事でキレイにできる場合があります。
凹みの匠には、これら住宅の補修工事の職人が多数在籍しており、幅広い汚れ・キズの補修工事に対応できる体制を整えています。
ご自宅にできたキズ・汚れなどでお困りの場合は、工事などを依頼される前に、ぜひ一度凹みの匠へご相談くださいませ!
該当の箇所が補修可能かどうか、スマホで撮った写真をお送りいただければお見積りが可能です!
カビ汚れだけでなく、あらゆる破損や汚損に対応しておりますので、お困りのことがあればなんでもご相談ください!
熱意を持って対応させていただきます!
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