【カビの落とし方】カビのこと 正しく知って 正しくお掃除!【注意点】
1.はじめに
浴室やキッチンに発生するカビ汚れ、ほっておくとすぐに発生して非常に厄介ですよね。
どれだけお掃除していてもできてしまうカビ。実はカビの原因となるカビ菌の胞子は、一年中空気中を漂っています。
今回の記事では、そんな困ったカビ汚れがどのようなメカニズムで発生するのか、カビが好む環境とはどういった環境なのか、などのカビについての豆知識と、カビ汚れに有効な洗剤・道具と、それらを活用した簡単お掃除術、および注意点をご説明したいと思います!
2.カビとは
カビとは、「菌類の状態の一種」を指します。
カビは最初、人間の目には見えない小さな胞子の状態で空気中をさまよっています。それが成長に適した場所に付着すると発芽し、菌糸を伸ばして生息域を拡大し、十分に成長するとさらに胞子を飛ばします。
カビの生育に必要な条件は、十分な湿度と栄養素があるかどうかです。条件がそろうと、カビは一気に増殖して人の目に見える形の集合体(コロニー)になります。
一般的なカビは、湿度60%から徐々に活動を開始するといわれています。また、冷温な環境よりも高温・多湿を好むといわれています。
カビの主な栄養素はアミノ酸で、一般家庭では食品、人間および動物の皮脂、髪の毛などがこれにあたります。
浴室やキッチンなどの水回りは、栄養となる食物と水分が豊富に集まる場所ですので、カビにとってはいわば天国のような環境です。
カビは梅雨~夏場にかけて温度・湿度が高くなると猛威をふるいはじめます。
3.カビの落とし方
カビ汚れに有効な洗剤は「塩素系洗剤」です。塩素洗剤は高い殺菌効果がありますので、菌類であるカビの息の根を止め、増殖することを防いでくれます。
さらに漂白効果もありますので、カビがついていた箇所の下地を白くキレイに見せてくれる効果も期待できます。
3-1.道具の準備
塩素洗剤はホームセンターや薬局、場合によってはコンビニなどでも購入することができます。洗剤の性質についてはボトルの裏に必ず表記がありますので確認しましょう。「塩素」という表記があるものが塩素洗剤となります。
洗剤の名前に「カビ」がついているものは十中八九塩素洗剤です。ジョンソン株式会社の「カビキラー」や、花王株式会社の「ハイター」シリーズがロングセラーとなっている商品です。
洗剤の選び方として、浴室やキッチンなどの水回りに使用する場合はスプレーボトルに入っているものがオススメです。スプレーボトルのものは噴射すると泡になり、掃除したい箇所に長い時間とどまってくれるので、つけおき効果が期待できます。液体の粘度が高いものが使いやすいです。わからない場合は店員さんにオススメを聞くのがベストでしょう。
洗剤を買う際にメラミンスポンジ(激落ちくんなどが有名)、ハンドブラシ(毛先が長く斜めに生えているもので、握りやすい柄のついた手のひらに収まるサイズがオススメ)、サランラップなどを用意しましょう。肌荒れ防止や粘膜の保護のために、ゴム手袋やゴーグルなども買っておくと良いでしょう。
3-2.実際にお掃除してみましょう
道具が準備できたら、早速お掃除してみましょう。
洗剤をカビに吹きかけたら、ハンドブラシでカビ全体に伸ばしていきましょう。ただ洗剤をかけるだけでは、かけた端から流れていってしまいますので、汚れに長い時間留まるようブラシでしっかり泡立てましょう。このとき、カビ汚れの表面をブラシで削るイメージでこすってあげると、カビの組織の表面が傷つき内部まで洗剤が浸透しやすくなります。
洗剤をかけ終わったら、そのまま5~6分放置しましょう。塩素系の洗剤はこの”つけおき”が非常に大事です。
つけおきが終わったら、ブラシで擦りながら流水で洗剤を洗います。
浴槽やお風呂の壁など、広い範囲をお掃除するのはハンドブラシでは骨が折れますので、洗剤を吹きかけたあとにメラミンスポンジなどで擦って洗剤を伸ばします。
3-3.洗剤の効果を引き出す”湿布法”
上記の方法でも落ちない、しつこいカビ汚れには「湿布法」を試してみましょう。
湿布法とは、洗剤をかけた上からサランラップなどを被せ、洗剤が乾かないようにした状態で長時間つけおきするテクニックです。
洗剤は乾くまでずっと効力を発揮しますので、湿布法を駆使すれば驚くほど長時間洗剤の効果を引き出すことができます。
3-4.注意点
塩素洗剤には漂白効果がありますので、場合によっては下地の色が抜けてしまう場合があります。洗剤を使用できる材質とできない材質は、ボトルの裏に書いてある場合がほとんどですので、購入する前にチェックしましょう。
塩素は高い殺菌効果がありますが、同時に強い毒素も持っています。長時間塩素を吸入しつづけると、目や喉などの粘膜に痛みが出る場合がありますので、お掃除の際は必ず換気をし、長い時間洗剤を使用した空間に滞在しないようにしましょう。
塩素洗剤は酸性洗剤と反応すると、超猛毒の「塩素ガス」が発生します。塩素ガスは兵器に利用される案があったほど強力な毒ガスです。吸入すると失神してしまったり、最悪の場合死に至ることもあります。絶対に酸性洗剤と混ぜないようにしましょう。また、使用する洗剤の性質は十分に把握しておきましょう。洗剤ボトルの裏にある注意書きを正しく遂行してください。
塩素洗剤は肌荒れを引き起こすことがあります。素肌を守るためのゴム手袋などは必ずつけるようにしてください。
4.まとめ
・カビは菌類の状態の一種。胞子→菌糸→コロニーの順番で生息域を拡大する
・カビは高温・多湿の環境を好む。湿度が60%を超えると活発になる
・カビのエサは主にアミノ酸。食品や、人の髪の毛・皮脂などもエサになる
・カビには塩素洗剤が有効
・塩素洗剤は毒素が強いので使用上の注意を必ず守る
・しつこい汚れにはつけおきが有効。「湿布法」も活用するとより効果が期待できる
・塩素洗剤と酸性洗剤は絶対に混ぜない。混ぜるな危険!
・粘膜や肌を守るために必ずゴム手袋を着用する
いかがでしたでしょうか?カビは梅雨~夏場のイメージですが、人の住む環境は年中カビの発生するリスクが伴います。定期的にお掃除してカビの生えにくい環境を作ってあげましょう。
それではまた次回!